第82回 センター長の独り言 
春日井 邦夫(愛知医科大学名誉教授)

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本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。 さまざま困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです

春日井 邦夫(執筆時:愛知医科大学病院卒後臨床研修センター・消化器内科)
初出日:2013/08/30

 

私は2011(平成23)年4月に愛知医科大学病院卒後臨床研修センター長を拝命し,今年で3年目となりますが,その間,研修医たちと早朝カンファレンスやセミナーでともに勉強したり,初診外来や救急外来当直などの診療を一緒に行ったりしながら,彼らの成長を見守ってきました。毎年4月に研修医ガイダンスを終え,ピカピカの白衣に医師部門の名札をつけて,不安と希望に満ちあふれて,それぞれのローテート先へ分かれていきます。当初は右も左もわからぬ状態で緊張と戸惑いの中,日々悪戦苦闘していますが,一歩一歩成長していくにつれ,その顔つきや立ち居振る舞いが少しずつ医者らしくなっていく様子を毎年楽しみに見つめています。その度に,プロになるということは,多くの苦しみや悩みを経験して初めて成し遂げられるものであることを実感します。

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