本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。 さまざまな困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
佐々木 結花(初出執筆時:公益財団法人結核予防会複十字病院呼吸器内科)
初出執筆:2013/06/17,加筆修正:2025/04/05
この度,10年以上前に寄稿したこのエッセイを復刻したいというご依頼をいただきました。当時とさまざまなことに変化があり,手を入れさせていただいたうえでの再掲載をお受けすることといたしました。
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私は,結核を学び始めて足かけ37年になる。国立療養所であった時代の千葉東病院へ初期研修医として行って以来,ずっとこの疾患にかかわっている。呼吸器内科医なので,そのほかの分野も学ばなくてはならないが,この疾患とその関連として肺真菌症,肺非結核性抗酸菌症も,私の呼吸器内科医としての仕事のなかにある。結核を診療する医師は激減しており,よく冗談で「ワシントン保護条約絶滅危惧種レッドカードに指定してほしい」と言っている。