第92回 支える医療と医師の共感性 
片岡 仁美(京都大学医学教育・国際化推進センター)

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本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。 さまざまな困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです

片岡 仁美(執筆時:岡山大学大学院医歯薬学総合研究科地域医療人材育成講座/総合内科)
初出日:2013/11/08

 

「人の役に立ちたい」という思いで医学科に入学しましたが,人間は死を避けられず,死を前にしたとき医師はどれほど患者さんの役に立つことができるのか,という疑問が湧き,答えを求めて多くの本を読みました。

 

その過程で救世軍清瀬病院ホスピスにおいて夫妻でターミナルケアに取り組んでおられた内科医中島美知子先生の記事に出合い,医学科1年の秋に訪問させていただきました。そこで,現在は同じ清瀬市内において医療法人中島医院を開設し,在宅ホスピスを展開しておられる中島美知子先生と夫君で牧師である中島修平先生のお話を拝聴したことは,その後の私の医師としての重要な指針となっています。 

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