第95回 “臨床像”を湛える 
成田 雅(沖縄県立南部医療センター・こども医療センター感染症内科)

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本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。 さまざまな困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです

成田 雅(執筆時:太田西ノ内病院内科/総合内科・感染症)
初出日:2013/12/20

 

診断に王道は無い。今まで何人かの所謂「臨床センスのよい人」と仕事をしてきた。思いつかなかった疾患名を言い当て,実際その通りだったという名人芸を見せる先生がいる。自分はむしろそうではない。診断が思いつかない,鑑別に挙げてはいても,確定に至るまでにもう一押し足りなかったりする。そのような自分が心がけていることがある。

最近診断推論という言葉をよく耳にするようになり,自分なりの診断に至る過程を整理する機会があった。診断が思いつく方法として,直感的思考法,分析的思考法,解釈モデル(患者に聞いてみる)の3つの方法(skill)を意識するようにしている。 

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