本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。 さまざまな困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
平山 陽示(執筆時:東京医科大学総合診療科)
初出日:2013/12/16
私は循環器内科医として長年働いたあとに総合診療科に転向しました。以前より心身相関に興味をもってはいましたが,総合診療科に移ってからはより一層その重要性を自覚するようになりました。というのは総合診療科の外来には,症状を訴えていても器質的な疾患が見当たらない患者がたくさん受診されるからです。臓器別診療科に診察を依頼しても,担当領域の疾患ではないという理由で総合診療科に患者が戻されることがよくありますが,たとえ疾患が見つからなくても総合診療科では患者と一緒に考えていかなければなりません。