本連載では2012年1月から2014年4月にかけて医学書院の電子ジャーナルサイト「MedicalFinder」に掲載されたエッセイ『内科医の道』を復刻掲載します。 さまざまな困難を乗り越えて道を切り拓いてきた先達たちが贈る熱いメッセージは,時を経てもその価値は変わりません。内科医人生の道しるべとなる珠玉のエッセイを堪能ください(注:断り書きがない場合,執筆内容,所属などは初出時のものです)
和栗 雅子(執筆時:大阪府立母子保健総合医療センター母性内科)
初出日:2013/12/06
母性内科とは、慢性疾患をもつ女性の妊娠中(必要に応じ妊娠前〜,1カ月健診以降)の管理と妊娠中に出現した内科疾患の診療を内科医の立場からサポートする科です。妊娠はしても流産・死産を繰り返す不育症患者さんの原因を精査し治療することも多いです。1981年に大阪府立母子保健総合医療センター(以下,当センター)に開設され,その後1992年に神奈川県立こども医療センター,2002年に国立成育医療研究センターに設置されましたが,現在でも母性内科を標榜している施設はこの3施設しかないと聞いており注),知らない医師がほとんどだと思います。私も当センターに来ることになるまで知りませんでした。