第1回 下垂手―総論

長野 広之(京都大学大学院医学研究科医療経済学分野 / よしき往診クリニック)

 

始まりました,「帰ってきた 内科診断キーフレーズ」。本連載は拙書『ジェネラリストのための内科診断キーフレーズ』で書ききれなかったキーフレーズについて解説していきます。はじめに,キーフレーズについて少し説明します。臨床推論とは,「診断や治療のために情報を解釈するプロセス,思考過程」を指します。臨床推論を行うなかで,医療者は診断をつけるために収集した情報を統合,解釈していく(=プロブレムを作成する)必要があります。

 

適切にプロブレムを作成するためには,筆者は以下の3点が重要と考えています。

(1) 情報を正しく,上手に医学言語化する
(2) すべてのプロブレムを抽出する
(3) プロブレムを組み合わせて特異的にする

 

この3点を踏まえて,本連載ではキーフレーズを「診断に特異的で医学言語化されたプロブレム」と定義します。
第1回では,「下垂手」の総論について解説します。

 

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