第22回 成人患者の慢性咳嗽―③上気道咳症候群

長野 広之(天理よろづ相談所病院 総合内科)

 

前回は慢性咳嗽の原因となる逆流症について扱いました。逆流症には胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)や咽喉頭逆流症(laryngopharyngeal reflux disease:LPRD)が含まれます。機序としては①reflex theory(逆流内容が下部食道の迷走神経受容体を刺激),②reflex theory(上食道からの逆流内容の咽頭喉頭刺激),③下気道への微小誤嚥があります。治療としてはプロトンポンプ阻害薬(proton pump inhibitor:PPI)投与以外にも消化管運動賦活薬,生活指導,カフェイン・炭酸飲料などを避けるなどさまざまありました。今回は上気道咳症候群について扱います。

 

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