第2回 ベニテングタケ 
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)

頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★☆☆☆☆

 

■ 初期対応 


Q1特徴的な症状は? 
A1中枢神経興奮作用のあるイボテン酸と中枢神経抑制作用のあるムシモールに,ムスカリンが絡んだ多彩な中毒症状が発現します。 

 

解説:ベニテングタケ摂取後15分程度で流涎,悪心・嘔吐,下痢,腹痛などの消化器症状が生じます。また,摂取後6時間以内に運動失調,昏迷,傾眠,昏睡,せん妄,錯乱,不穏・興奮,視覚や聴覚の異常,幻視や幻聴などの幻覚,痙攣発作などの中枢神経症状が発現して,6~24時間持続します。そのほかに,発汗,徐脈,めまい,視力障害,耳鳴,膀胱括約筋攣縮,筋固縮,筋線維束攣縮などが生じます(表1)。

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