(上條吉人:臨床中毒学 第2版.p556,医学書院,2023)
頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★★★★★
■ 初期対応
Q1:特徴的な症状は?
A1:軽症では口唇周囲や四肢遠位端のしびれ感や異常感覚が,重症では呼吸筋を含む全身の弛緩性麻痺が生じます。
解説:重症度および発症時間(摂食から発症までの時間)(表1)は原因毒素であるテトロドトキシン(tetrodotoxin:TTX)の摂取量によります。初期症状は口唇周囲や四肢遠位端のしびれ感や異常感覚などの感覚症状ですが,I度(軽症)では感覚症状のみか感覚症状に消化器症状を伴います。II度(中等症)では遠位筋や顔面筋の筋力低下が生じます。III度(重症)では全身の弛緩性麻痺が生じます。ただし,患者の意識は保たれています。IV度(最重症)では重症換気不全に加えて徐脈,血圧低下,不整脈などの循環器症状が生じます。