第4回 ヤマカガシ 
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)


頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★★★☆☆

 

■ 初期対応 


Q1:特徴的な症状は? 

A1:咬傷部の痛みや腫脹はほとんどありませんが,咬傷後1時間以内に頭痛が,数時間~1日で出血傾向,または持続性の出血が生じます。重症になると肺・消化管・脳内出血,DIC,急性腎不全などが生じます。 

 

解説:咬傷部の痛みや腫脹はほとんどありません。咬傷後1時間以内に頭痛が生じてしばらく持続します。咬傷後数時間~1日で出血傾向,咬傷部・歯肉・膝関節などからの持続性の出血,血尿,全身の出血斑などが生じます。血液検査ではフィブリノーゲンや血小板の減少が生じます。重症例では肺・消化管・脳内出血,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC),急性腎不全などが生じます。また,頸部から噴出される毒液が目に入ると,霧視,結膜充血,角膜浮腫,角膜混濁が生じます。

 

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