第9回 ニホンマムシ 
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)


頻度:★★★☆☆ 危険度:★☆☆☆☆
(撮影者および撮影場所:日本蛇族学術研究所)

 

■ 初期対応 


Q1特徴的な症状は? 
A1:咬傷後30分前後で腫脹が始まり,約1日かけて上肢では咬まれた手指や手から,下肢では足趾や足から,徐々に体幹方向に拡大します。 

 

解説:咬傷後に直ちに局所の激しい疼痛が生じます。咬傷後30分前後で腫脹が始まり,約1日かけて上肢では咬まれた手指や手から前腕,さらに上腕へと,下肢では足趾や足から下腿,さらに大腿へと徐々に体幹方向に拡大します(図1)。腫脹が著しくなってコンパートメント症候群,咬傷部の壊死や筋肉壊死,内側直筋を主とする外眼筋麻痺による複視,眼瞼下垂が生じることもあります。重症では,溶血,ヘモグロビン尿,ミオグロビン尿,急性腎不全が生じます。 

 

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