第10回 ナツメグ 
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)


頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★☆☆☆☆

 

■ 初期対応 


Q1:特徴的な症状は?
A1:摂取後3~8時間で頻脈,血圧上昇などの循環器症状,不安・焦燥,不穏・興奮,幻覚,全般性発作などの中枢神経症状,口渇,排尿障害などの抗コリン症状,悪心・嘔吐などの消化器症状が生じ,24~48時間持続します。 

 

解説:摂取後3~8時間で頻脈,動悸,血圧上昇,重症では血圧低下やショックなどの循環器症状,めまい,傾眠,何か悪いことが起きそうな予感(a feeling of impending doom),落ち着きのなさ,不安・焦燥,不穏・興奮,恐怖,非現実感,幻覚,視覚・聴覚の歪み,微小視(物が実際より小さく見える),好戦性,攻撃性,支離滅裂な言語,全般性発作などの中枢神経症状,顔面の紅潮,かすみ目,散瞳,口渇,口腔内乾燥症,排尿障害,高体温などの抗コリン症状,胃への直接作用による悪心・嘔吐,腹痛などの消化器症状が生じ,24~48時間持続します。 

 

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