第12回 スイセン(水仙)
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)


頻度:★★☆☆☆ 危険度:★☆☆☆☆

 

■ 初期対応 


Q1特徴的な症状は? 
A1:経口摂取後1時間以内に悪心・嘔吐などの消化器症状や発汗,流涎などの神経症状が生じます。 

 

解説:経口摂取後1時間以内に悪心・嘔吐,口内炎,下痢,腹痛などの消化器症状や発汗,流涎,頭痛,めまいなどの神経症状が生じます。ディオスコリデス(40~90年)の『薬物誌』に「スイセンの根を食べると嘔吐する」と記述されているように,嘔吐の頻度が高いのが特徴です。ただし,中毒症状の持続時間は短く,たいていは3時間以内に消失します。また,鱗茎に触れて刺激性皮膚炎や接触皮膚炎が生じることがあります。

 

続きを読むには
無料の会員登録 が必要です。

こちらの記事の内容はお役に立ちましたか?