第14回 コレラタケ 
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)


頻度:★☆☆☆☆  危険度:★★★☆☆ 

 

■ 初期対応 


Q1:特徴的な症状は?
A1:キノコ摂取後6~24時間で激しい消化器症状が生じます。症状はいったん改善しますが,摂取後2~6日で遅発性に肝・腎障害が生じます。

 

解説:無症状の潜伏期を経て,激しい消化器症状が発現します。症状はいったん改善しますが,遅発性に肝・腎症状が生じます。

 

Stage I(消化管相:gastrointestinal phase):摂取後6~24時間(平均10~13時間) 
悪心・嘔吐,水様性下痢,血性下痢,激しい腹痛,酸・塩基平衡異常,電解質異常が突然に生じて12~36時間持続します。これらの消化器症状から脱水が生じて,二次的に頻脈,血圧低下,循環血液量減少性ショック,乏尿,急性腎障害が生じます。 

 

Stage II(潜伏期:latent period):摂取後24~48時間 
消化器症状などの臨床症状はいったん改善して無症状となります。ただし,血液検査では肝機能障害や腎機能障害が認められます。 

 

Stage III(肝・腎相:hepatorenal phase):摂取後2~6日 
急性肝不全,凝固障害,黄疸,低血糖,出血傾向,出血性ショック,肝性脳症,傾眠,イライラ,錯乱,せん妄,昏睡,痙攣発作,乏尿,無尿,急性腎不全,多臓器障害などが生じます。

 

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