第18回 ヨウシュヤマゴボウ 
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)


頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★☆☆☆☆

 

■ 初期対応 


Q1:特徴的な症状は?
A1:経口摂取後30分~5時間30分で出血性胃腸炎などの消化器症状や発汗,流涎,不穏・興奮,痙攣発作などの神経症状が生じます。

 

解説:経口摂取後30分~5時間30分で口腔・咽頭の灼熱感,悪心・嘔吐,吐血,下痢,下血,腹痛などの消化器症状,頭痛,発汗,流涎,かすみ目,視力低下,めまい,不穏・興奮,錯乱,傾眠,脱力,振戦などの神経症状,その他,蕁麻疹,溶血が生じます。ただし,ハーブティーでは経口摂取後15~30分と早期に症状が発現します。重症では,痙攣発作,呼吸抑制,血圧低下が生じます。症状は,1~48時間持続します。5歳の女児がたくさんの熟果を潰してジュースにして飲み,死亡するなどの死亡例の報告もあります。また,熟果の果汁の皮膚への曝露では疼痛,浮腫,腫脹などが生じます1)。 

 

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