第19回 麻痺性貝中毒(PSP)
上條 吉人(埼玉医科大学教授臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)


頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★★☆☆☆

 

■ 初期対応 


Q1:特徴的な症状は?
A1:経口摂取後30分程度で口唇・口・舌の異常感覚が生じ,徐々に全身に広がるとともに麻痺に変わります。また,経口摂取後30分~3時間で頭痛,めまい,悪心・嘔吐,下痢,腹痛が生じます。

 

解説:経口摂取後30分程度で口唇・口・舌のチクチク感,しびれ感,灼熱感などの異常感覚が生じ,徐々に顔面や頸部から四肢末端まで広がります。また,経口摂取後30分~3時間で頭痛,めまい,発汗,口渇,流涎,悪心・嘔吐,下痢,腹痛,高血圧が生じます。重症例では異常感覚が麻痺に変わり,体が宙に浮いた感覚などの全身の異常感覚,嚥下障害,構音障害,運動失調,筋肉痛,筋力低下,四肢の脱力,呼吸筋麻痺,呼吸停止などが生じ,死亡する場合もあります。摂取後12時間を超えると回復に向かいます。意識はたいてい保たれます。軽症から中等症では2~3日で症状は消失しますが,重症では1週間ほど持続することもあります。  

 

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