頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★★★★☆
■ 初期対応
Q1:特徴的な症状は?
A1:経口摂取後2時間以内に,副交感神経症状および感覚神経刺激症状が生じます。その後に,循環器症状,消化器症状,神経・筋症状などが生じます。
解説:経口摂取後2時間以内に縮瞳,流涎,徐脈などの副交感神経症状,および(口唇周囲,舌,口腔内,指,つま先の)灼熱感・しびれ感,異常感覚,強い痛みなどの感覚神経刺激症状が生じます。その後に,血圧低下,洞性頻脈,(心室性期外収縮,二段脈,頻脈性心室調律,心室細動,心室頻拍,トルサード・ド・ポアンツなどの)心室性不整脈,心停止などの循環器症状,悪心・嘔吐,下痢,疝痛性の腹痛などの消化器症状,脱力,発語困難,骨格筋麻痺,(呼吸筋麻痺による)呼吸困難・呼吸停止などの神経・筋症状が生じます(表1)。死因のほとんどは心室細動などの心室性不整脈による心停止,または呼吸筋麻痺による呼吸停止です。