第34回 ハブクラゲ 
上條 吉人(埼玉医科大学特任教授・臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)

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頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★★★☆☆
(沖縄県衛生環境研究所より提供)

 

■ 初期対応 


Q1:特徴的な症状は?
A1:局所症状として,刺傷の瞬間に焼けつくような鋭い痛みを感じ,ミミズ腫れとなります。全身症状として,最重症では刺傷後まもなく心肺停止となります。

 

解説:局所症状としては,刺傷の瞬間に焼けつくような鋭い痛みを感じ,触手(tentacle)が絡みついた皮膚の部分は赤いミミズ腫れとなります。刺傷後6時間ほどでミミズ腫れは炎症性の浮腫を伴った水疱となります。次第にミミズ腫れの赤味は薄らぎますが,刺傷後12時間で壊死が生じ,ケロイド状を経て黒や茶色の瘢痕となります。全身症状としては,頭痛,悪心,脱力,痙攣発作,ショック,多臓器不全などが生じます。最重症では,刺傷後まもなく心肺停止となり死亡することがあります。

 

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