頻度:★☆☆☆☆ 危険度:★☆☆☆☆
(沖縄県衛生環境研究所より提供)
■ 初期対応
Q1:特徴的な症状は?
A1:刺傷の直後より激しい痛みや灼熱感,10分程度で線状紅斑が生じます。
解説:局所症状としては,刺傷の直後より激しい痛みや灼熱感が生じ,数日間持続します。刺傷後10分程度で線状の紅斑性(erythematous)・浮腫性(edematous)のプラーク(plaque)が生じ,数時間で強い掻痒感が伴い,12~60時間でピークに達します。プラークは水疱(blister)や皮膚壊死となることもあります。
局所症状の回復には10日以上を要します。全身症状としては,冷汗,嘔気・嘔吐,咳嗽,呼吸困難,呼吸不全,胸痛,頻脈,不整脈,血圧低下,失神,筋痛,筋痙攣,傾眠,錯乱などが生じます。刺傷後数分以内に呼吸停止および急性循環不全が生じて死亡した症例の報告もあります1)。ちなみに,331例の患者を対象とした調査では,局所症状としては,全例に激しい痛みを伴うさまざまな長さ(平均18cm)の線状紅斑を認めました。全身症状としては,54例(16.3%)に冷汗,33例(9.9%)に嘔気・嘔吐,24例(7.2%)に頻脈,それぞれ3例(0.9%)に胸痛および高血圧を認めました2)。