第39回 オオスズメバチ 
上條 吉人(埼玉医科大学特任教授・臨床中毒学講座 / 同大学病院臨床中毒センター長)

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頻度:★★☆☆☆ 危険度:★★☆☆☆

 

■ 初期対応 


Q1:特徴的な症状は? 
A1:局所症状やアナフィラキシーのほかに,多数の刺傷により急性間質性腎炎,急性中毒性肝炎,急性中毒性心筋炎,多臓器不全などが生じます。 

 

解説:刺された直後から強い痛みが生じます。局所症状としては,発赤,浮腫,腫脹,紅斑,丘疹,皮下出血などが生じます(図1)。過去に刺傷歴があるとアナフィラキシーなどのアレルギー反応が生じ,死亡することがあります。また,多数の刺傷により,急性腎障害(acute kidney injury:AKI),急性間質性腎炎(acute interstitial nephritis:AIN),急性腎不全(acute renal failure:ARF),急性中毒性肝炎(acute toxic hepatitis:ATH),急性中毒性心筋炎(acute toxic myocarditis:ATM),筋壊死,横紋筋融解症,血液凝固異常,多臓器不全,溶血,ミオグロビン尿,ヘモグロビン尿などの全身症状が生じ,死亡することがあります。死亡例の多くは頭部または頸部を中心に刺傷が認められ,主な死因はATMおよび多臓器不全でした。 

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