執筆:田中 夏実(生協北診療所 所長)
現代社会において、「孤独」や「孤立」が問題となっている。特に高齢者の孤立は、「早期死亡」や「脳卒中」「冠動脈疾患」「糖尿病」のリスクと関連していることが複数の研究で示されている1, 2, 3, 4)。日本の内閣府の調査でも、「生きがいの低下」や「孤独死」また「消費者被害」や「高齢者による犯罪」などにつながるリスクが高いことが指摘されている5)。わたしは都市部の診療所で家庭医として働いているが、友人とするような会話を医師・医療者とするために通院している患者さんが一定数おり、コミュニケーションの不足がうかがわれることも多い。
では、なぜ「犬と」なのか? なぜ人間の医師であるわたしが、医療の専門出版社のウェブサイトで犬について語るのか?
犬を中心に人が集まる。