R. E.
大阪医科薬科大学医学部 3年生
かつて人の営みで満ちていたであろう廃墟を、鉛筆の濃淡だけで描いた。崩れかけた窓や剥がれ落ちた壁は、時間の経過とともに失われていく機能を想起させる。しかし、差し込む光は完全な終わりではなく、再生の可能性を静かに示している。医学生として日々向き合う人体もまた、脆さと回復力を併せ持つ存在である。病に侵され荒廃したように見える身体も、適切な診断と治療、そして寄り添う姿勢によって新たな息吹を取り戻す。本作では、廃墟を一つの「身体」に見立て、観察し、陰影を丁寧に追うことで、その奥に残る生命の痕跡を探った。崩壊を描くことは絶望を描くことではない。そこから何を読み取り、いかに再生へとつなげるか――それは医学の営みそのものだと考えている。
