第5回 アンピシリンは大腸菌制圧への第一歩

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京大学医学部附属病院感染症内科)

 

Keywords:ペニシリンG(PCG),アミノ基,アンピシリン(ABPC),大腸菌(Escherichia coli


Q.アンピシリンのスペクトラムを教えてください!

A. ペニシリンGのスペクトラムとほぼ同じです。ただし,ちょっとした改良によって,耐性化の進んでいない大腸菌をカバーできるようになりました。

 

ペニシリンGは,肺炎球菌とレンサ球菌,腸球菌とリステリア,横隔膜から上の嫌気性菌をカバーすることができる反面,ブドウ球菌,大腸菌,横隔膜から下の嫌気性菌をカバーすることができないというのが前回までのあらすじでした。ペニシリンGでカバーできない細菌たちも臨床現場では決して稀な存在ではなく,これらをいかにカバーするかというのが,ペニシリン系の進化を知るうえでは重要になってきます。

 

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