第7回 ようやくGNRを克服か!? ピペラシリン・タゾバクタム

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京大学医学部附属病院感染症内科)

 

Keywords:ピペラシリン・タゾバクタム(PIPC/TAZ),大腸菌(Escherichia coli),緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa


Q. ピペラシリン・タゾバクタムのスペクトラムを教えてください!

A. ペニシリンG(PCG)やアンピシリン(ABPC)のスペクトラムに,ブドウ球菌,大腸菌,横隔膜から下の嫌気性菌を加えたもの……とやっと言えました! あと,緑膿菌もカバーします。

 

アンピシリン・スルバクタム(ABPC/SBT)は,ブドウ球菌や横隔膜から下の嫌気性菌はカバーするけれども,大腸菌は耐性化していてカバーが今一つであるというのが前回のあらすじでした。その結果,アンピシリン・スルバクタムはグラム陽性球菌(GPC)や嫌気性菌はおおむねカバーする反面,グラム陰性桿菌(GNR)は中途半端でなんとも使いづらい抗菌薬になっているわけです。

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