第38回 男性の「尿路感染症」には眉に唾をつけて臨むべし

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:男性,膀胱尿管逆流症,尿管結石,前立腺肥大症,尿道カテーテル,精巣炎,精巣上体炎,性感染症,淋菌,クラミジア,急性前立腺炎,ST合剤,キノロン系抗菌薬

 

Q. 男性の尿路感染症の注意点を教えてください! 

A. 泌尿器系のなかでもどこに感染を生じているかをしっかり特定することです。例えば,前立腺感染症は,膀胱炎・腎盂腎炎とマネジメントが随分異なります。

 

前回,尿路感染症を「尿路感染症」と一括りに呼ばずに,なるべく臓器特異的な病名で診断することをお勧めしました。この姿勢は,特に男性の「尿路感染症」を診療するうえで活きてくることが多いです。というのも,尿路感染症は基本的に女性の疾患で,男性では比較的生じにくいものです。ご存じの通り,男性は女性と比べて尿道が長いため,腸管由来の微生物が泌尿器系を上行しづらいという解剖学的特徴があるわけです。

 

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