第61回 腹部触診では自発痛と圧痛を区別せよ

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:腹部触診,自発痛,圧痛,内臓痛,体性痛,関連痛,急性虫垂炎

 

Q. 腹腔内感染症が疑われる患者の腹部触診所見を診断に結びつけるにはどうしたらよいか教えてください!  

A. 自発痛と圧痛を意識して区別しましょう。圧痛は体性痛を示すことが多く,触診部位直下の病変を示唆します。

 

前回は腹腔内感染症の診療において大切な心構えをいくつか取り上げましたが,今回はそのなかでも腹部診察の話題に触れておこうと思います。腹部診察においては自発痛と圧痛の区別が非常に大切ですが,問診だけでなく腹部の触診も行わないかぎり,両者を区別するのは難しいです。また,自発痛か圧痛かで,画像検査の結果を解釈する目も少し変わってきます。

 

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