第60回 腹腔内感染症の要点

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京医科歯科大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:腹腔内感染症,手術適応,ドレナージ,グラム陰性桿菌,嫌気性菌

 

Q. 腹腔内感染症の診療がうまくなるコツを教えてください!  

A. とにかく患者のお腹を触ることです。身体診察の結果を画像所見と照らし合わせ,ベッドサイドでの勘を磨きましょう。そして,ドレナージ可能な病変を見落とさないようにしましょう。

 

皮膚軟部組織感染症,尿路感染症,呼吸器感染症を終えて,今回から腹腔内感染症です。お気付きになった読者のかたもいらっしゃるかもしれませんが,実はこの臓器別感染症シリーズは,セフェム系のスペクトラムで頻用した語呂合わせ「S&S → PEK → HM」の順番で解説しています(第10回記事参照)。そして,セフェム系を学ぶ過程で,ペニシリン系とセフェム系の違いも説明しました。セフェム系は,(1)腸球菌とリステリアが苦手,(2)嫌気性菌も苦手というのがポイントでした(第12回記事参照)。そして,こういった視点が生きてくるのが腹腔内感染症です。

 

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