第81回 感染性心内膜炎の治療レジメンは複雑

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:感染性心内膜炎,起因菌,自己弁,人工弁,ガイドライン,ゲンタマイシン(GM),リファンピシン(RFP),播種性感染症,中枢神経移行性,経口抗菌薬

 

Q. 感染性心内膜炎に対する経口抗菌薬の使い方について教えてください!

A. エビデンスが未確立なので,その都度文献を読み込むか,専門家に相談しながらレジメンを選択しましょう。経口抗菌薬への切り替え後も慎重に経過観察することが大切です。

 

前回は感染性心内膜炎の診断に関するお話でしたが,今回は治療のお話です。ただし,知識を羅列するというよりは,心構えのお話にとどめておきます。というのも,感染性心内膜炎の抗菌薬治療レジメンは多岐にわたっていて複雑なため,自信がある人を除けば,覚えようとしないほうがよいかと思うのです。感染性心内膜炎の治療レジメンは起因菌によって異なりますが,同時に自己弁か人工弁かでも異なることがあり,これを暗記するのは至難の業です。さらに,ガイドラインが改訂されるごとに治療レジメンがアップデートされることも多いです。したがって,感染性心内膜炎に関しては,その都度マニュアルやガイドラインを見ながら抗菌薬を選ぶことをお勧めします。具体例は表の通りです注1。 

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