執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)
Keywords:発熱性好中球減少症,化学療法,バリア破綻,グラム陽性球菌,グラム陰性桿菌,緑膿菌,ピペラシリン・タゾバクタム(PIPC/TAZ),セフェピム(CFPM),カルバペネム系
Q. 発熱性好中球減少症の起因菌として注意すべきものを教えてください!
A. 頻度的にはグラム陽性球菌が多いですが,グラム陰性桿菌のほうが致死的な経過を辿りやすいため,実際的にはグラム陰性桿菌により注意しています。
早速,免疫不全の各論に入っていくわけですが,最初に取り組むのは発熱性好中球減少症です。なぜかというと,暗記する内容が比較的少ないからです。液性免疫障害も同様ですが,細胞性免疫障害では覚えないといけないことが多く,初学者にとってはハードルが高いです。したがって,発熱性好中球減少症,液性免疫障害,細胞性免疫障害の順番で俯瞰していくのが,全体像を見失わずに済むのでよいのかなと考えております。それはそうと,前回,発熱性好中球減少症は緊急を要する状態という話をしました。今回はこの話題を深めていきます。