第91回 発熱性好中球減少症で見落としがちな感染巣

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)

 

Keywords:発熱性好中球減少症,熱源精査,問診,身体診察,肛門周囲膿瘍

 

Q. 発熱性好中球減少症での熱源探しのコツを教えてください!

A. 後から病変が出現することがよくあるので,とにかく問診や身体診察を日々繰り返すことです。特に肛門や口腔内は丹念にチェックするとよいです。

 

前回,発熱性好中球減少症に対しては速やかに抗緑膿菌作用のある抗菌薬を投与せよとお伝えしました。いかに患者の全身状態が保たれていても,発熱性好中球減少症は緊急の状態であり,治療を超特急で開始しなければならないということです。ただ,われわれ医療従事者には少々悪い癖があります。治療を開始すると,ほっとして,つい気が抜けてしまいがちなのです。ただ,治療の前には必ずやらなければならないことがある…ということで,今回はその話題です。 

 

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