執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)
Keywords:発熱性好中球減少症,抗がん化学療法,骨髄抑制,粘膜障害,造血器腫瘍
Q. 発熱性好中球減少症が生じやすい抗がん化学療法を教えてください!
A. アントラサイクリン系,シスプラチン,イホスファミドなど,概して骨髄抑制だけでなく,粘膜障害も生じやすい薬剤を含むレジメンでみられやすい傾向にあります。
発熱性好中球減少症の背景として,抗がん化学療法が多いという話をこれまでしてきました(第90回参照)。しかし,抗がん化学療法の内容,つまりはレジメンの種類と薬剤用量によっても発熱性好中球減少症の発生頻度は異なりますし,さらにはその背景にある悪性腫瘍の種類やそれ以外の宿主因子などによっても異なってしまいます。今回は,そのあたりを掘り下げてみたいと思います。