執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京科学大学病院 感染症内科・感染制御部)
Keywords:Legionella pneumophila,血清型1,尿中抗原検査,PCR,LAMP,院内発生,マクロライド系,キノロン系,QT延長,テトラサイクリン系
Q. レジオネラ感染症を鑑別診断として想起するコツを教えてください!
A. 市中肺炎・院内肺炎の両方で常に鑑別診断に入れておきましょう。加えて,水系曝露がある患者でも頭の片隅に置くべきです。
細胞性免疫障害で問題になる病原体のうち,細菌については「LLMNSS」と覚えていただきました(第100回記事参照)注1。今回は最初の「L」に相当するレジオネラです。臨床で見かける可能性のあるレジオネラとしては,Legionella pneumophila,L. micdadei,L. longbeachaeなどがあります。これらのうち,L. micdadeiとL. longbeachaeはそれぞれ移植と土壌曝露と関連しますが,L. pneumophilaに比べると遭遇頻度はきわめて稀です。さらに,実臨床で遭遇するL. pneumophilaはほとんどが血清型1です注2。