執筆:谷口 智宏(県立広島病院 総合診療科・感染症科部長)
執筆協力:米本 仁史(大和高田市立病院 感染症内科医長)
(症例編はこちら)
解説:梅毒とスピロヘータ
歴史
スピロヘータ(spirochetes)は、細長いらせん状の形態で活発に運動し、グラム陰性に染まる一群である1)。ヒトの口腔、ウシの消化管、シロアリの後腸などさまざまな動物の体内に生息する1)。口腔内スピロヘータは、17世紀オランダのLeeuwenhoekが顕微鏡で観察したのが始まりとされ、病原性スピロヘータは、1873年Obermeierが回帰熱の原因菌(Borrelia recurrentis)を発見したことに始まる1)。スピロヘータの分類は現在、スピロヘータ目スピロヘータ科トレポネーマ属(梅毒)とボレリア科ボレリア属(回帰熱とライム病)、ブラキスピラ目(哺乳類の腸管に寄生)、レプトスピラ目レプトスピラ科(レプトスピラ症)、ブレビネーマ目の4目に分類される1)。