執筆:谷口 智宏(県立広島病院 総合診療科・感染症科部長)
執筆協力:米本 仁史(大和高田市立病院 感染症内科医長)
(症例編はこちら)
解説:腸チフスとパラチフス
歴史
チフス性サルモネラ(Typhoidal Salmonella)による非特異的な発熱性疾患を“Enteric fever”と呼ぶ1)。チフス菌(Salmonella Typhi)によるものを腸チフス(Typhoid fever)、パラチフス菌(Salmonella Paratyphi)によるものをパラチフス(Paratyphoid fever)と呼ぶが、症状だけでは両者を区別できない。腸チフスとパラチフスをまとめて“チフス”と呼びたいところだが、チフスというと歴史的に“発疹チフス”を指してしまう。Enteric feverの和訳は“腸熱”だが、臨床ではなじみが薄く、ここではEnteric feverで統一する。