第11回 ChatGPTでスライドづくり
―構成案から図解まで

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解説大塚篤司(近畿大学医学部皮膚科 主任教授)

前回はこちら

 ChatGPTは最近、「画像生成」がかなり得意になりました。1枚の概要図なら、的確に美しく仕上げることが可能です。一方、「スライドづくり」となると、ゼロから一連のスライドを仕上げるというのは、まだ苦手です。

 では、どうChatGPTを活用すれば、効率よく効果的なスライドづくりができるでしょうか? そこで今回は、ChatGPTに順を追って指示を出し、段階的にスライドをつくり込んでいく流れを実演します。


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【チャプター・概要】

  • 00:26 ChatGPTは画像生成は得意だがスライドは…
  • 01:18 実演①:「全体の構成」を的確につくらせるプロンプト
  • 02:19 実演②:特定のスライドを深掘りする
  • 03:10 実演③:「1スライド1メッセージ」に整理し直す
  • 03:45 実演④:「図解」のアイデア出し
  • 04:09 実演⑤:図解アイデアの画像生成の実際
  • 04:35 AIを用いたスライドづくりのデメリット
  • 05:34 生成画像のスライド活用法

※動画解説では「GPT-5.5」(ChatGPT Proプラン)を用いています。モデルの更新や仕様変更などにより、機能名称や画面表示、操作方法などが動画の内容と異なる場合があります。また、生成される画像や図のデザインや品質は、使用するモデルやプランなどによって異なる場合があります。

 

 

はい、みなさん、こんにちは。近畿大学皮膚科の大塚です。今回は、スライドづくりをChatGPTに手伝ってもらうというふうなことでやっていきたいと思います。 私のでも、生成AIを使ってスライドをつくるという特集で1冊出させてもらっていますが、今回はChatGPTでどういうふうにやるかというところを、実験的にもなりますが、やろうと思います。 

ChatGPTはですね、最近画像の作成機能が非常に進んでいまして、1枚の概要図をつくらせたら本当に綺麗なものができますし、ハルシネーションも非常に少ないものができていると思います。ただですね、やっぱりスライドをつくるのはちょっと苦手かなと思いますので、なかなかChatGPTを、この画面から直接スライドをつくらせるというのは難しいかなと思います。 開発中の機能で、PowerPointにChatGPTをくっつけるみたいな拡張機能が出てきていますので、そちらを使ってもらったらいいと思いますけれども、今回は初学者向けということで、ChatGPTのこの画面からスライドをつくるにはどうしたらうまくいくかな、というふうな感じでちょっとやってみようかなと思います。

基本的には、スライドの構成案をつくっていくしかないのかなと思いますので、こんな感じで今日はプロンプトを準備しています。
以下の条件で、勉強会スライドの構成案を作ってください。 
テーマ:医療者のためのChatGPT活用入門
対象:ChatGPTを少し触ったことがある医師・医療者
時間:15分
目的:明日から安全に使えるイメージを持ってもらう
スライドタイトル案、各スライドの要点、話す順番を作ってください。
これでつくってもらいましょう。

これはもうすぐできますね。 今、「ウェブを検索しています」というのは出てきませんでしたので、これはもう予め学習している内容からいけるということですね。 こんな感じで、タイトル案、スライド案ができました。 まあなんでしょう、アイデア出しに使う、これをそのまま使うというよりは、アイデア出しとして使っていくのがよいと思います。では、この中でもうちょっと深堀りしてみましょうか。

続いて、次のプロンプトです。
この構成のうち、第3スライドだけ詳しくしてください。
1枚のスライドに入れる見出し、箇条書き3つ、話す内容を作ってください。

すると、ChatGPTはこんな内容を出してきます。
タイトル:ChatGPTは「検索エンジン」ではない 
スライド内見出し:ChatGPTは「知っている」のではなく、「文章を予測して作っている」
箇条書き:
• Googleは「情報を探す」、ChatGPTは「文章を作る」
• 自信満々に間違えることがある(ハルシネーション)
これは、ハルシネーションの特集でお話しさせていただきました(本連載第9回)。
話す内容(発表用)
こういうふうな内容で話すとよいですよ、ということです。

では続いて、こちら。プロンプトとしては、
各スライドを「1枚1メッセージ」に直してください。
文字量を減らし、口頭で補足する内容は発表者ノートに分けてください。

実際にこれで1枚ずつどんなテーマでどういうふうなことを話すべきかということが出てきましたね。叩き台として、こういうのを見ながらつくるには、これはこれで便利かなというふうに思います。どうでしょう?

では最後ですね、図をちょっとつくらせましょうか。
この内容を図解するとしたら、どんな図がよいですか。3案出してください。
それぞれスライド上の配置も説明してください。

3案できるかな。ちょっとやってみましょうか。

やっぱりここでは図はつくらなかったので、実際にじゃあどうしましょう。案1:信号機型 を作成してみましょう。
案1の図を作成して。
そうすると、ChatGPTが図を作成し始めます。

最初にお話ししましたように、ChatGPTの図作成能力は本当に発達・発展していて、完璧に近いところまできていて、自分たちでつくるよりはるかにしっかりまとまった図ができます。ただですね、こういうのは、問題点というか注意点があります。 同じようなデザインで、同じようなものが出てくるので、皆見て気づくんですね、「あ、AIでつくった」と。これが人間に及ぼす影響というのは、決して聴衆の人に好意的な反応を起こすわけではありません。AIのスライドが出てきた場合、「あ、AIでつくったんだな」というのがまず最初のインパクトで、そこで「あーなんか、AIでつくったやつなのか…」とガッカリだとか失望だとか、そういうものでみんな見てしまうので、決して聴衆の方にいい効果は生まれないなというふうに思っています。

そういうわけで、2案つくってもらったのですが…こんな感じですね。 これは、私が次に出版する本の内容を学習しててですね、そこから引っ張ってきているところでもありますが、「AIに入れていい信号機ルール」というのを、次、『ChatGPT入門 0(ゼロ)』(近刊)で紹介していますので。その内容におそらくメモリーが働いてこうなったのだと思います。
はい、きれいですね。こっちはちょっと文字数が少ない感じで出ていますが、こんな感じで図も作成してくれます。

これを、自分のスライドに貼り付けて、それを微調整して使うというのもありかなと思いますし、よく言われるのは「SVG形式で保存して」というやつですね。そうすると、ある程度文字をいじれたりすることもありますので、そういった編集可能な方法で使うこともできるかなと思います。
はい、今回は、ChatGPTを使ってスライドをつくるというか、スライドの構成案を考えてもらって、中に入れる挿絵をつくってもらう、ということを紹介しました。ご視聴いただきまして、ありがとうございました。

今月のキーポイント
ChatGPTでは、「全体の構成」をつくり、
「各スライド」のディテール(内容・図解)を深めよう。

…ChatGPTをスライドづくりに活用する場合、まずはスライド全体の「構成案」を作成するところから始めましょう。構成案を依頼する際には、「テーマ」「プレゼン対象」「時間」「目的」などの要件を必ず伝えます(プロンプトの詳細は動画をご参照ください)。この案をそのままスライドに落とし込むのではなく、発表や講義の骨組みを考える“アイデア出し”として活用するとよいでしょう。

そのうえで、各スライドの「見出し」「箇条書き3つ」「口頭で話す内容」などの詳細を掘り下げたり、情報量が多くなりすぎないよう「1スライド1メッセージ」に整理し直したり、個別に具体化していきます。

いよいよスライド本体を作成するにあたっては、「図解」のアイデア出しを依頼してみましょう。ChatGPTの画像生成能力は大きく向上しており、指示に沿った画像をほぼ完成形に近いクオリティで作成できるようになっています。ChatGPTで作成した画像を「SVG形式」で保存すれば、画像をある程度編集できる場合もあります。

ただし、いかにもAIで作成した画像やスライドは、聴衆に必ずしも好印象を与えるとは限りません。「なんだ、AIでつくったものか…」とガッカリさせてしまうこともあるかもしれません。いきなり完成度の高い一連のスライドを作成できるプレゼン特化型の生成AIなどもありますが、こう考えると、ChatGPTを“助手”として、自ら全体の構成を練り、自ら各スライドを個別につくり上げていく方法は、かえってオリジナルのスライドを作成するのに向いているのかもしれません。いずれにせよ、ChatGPTによる構成案や図解は、あくまで叩き台とし、最終的には自分の言葉やデザインで仕上げる姿勢が大切です。

今回用いた生成AI

ChatGPT
…PowerPointの中でChatGPTを使えるサービスは、「ChatGPT for PowerPoint」として提供されています。概要や使用方法はこちらをご参照ください。PowerPointはMicrosoft社製であり、同社の生成AIである「Copilot」は、すでにPowerPointに組み込まれています。Copilotを使用可能なプラン(Microsoft 365 Personal/Family/Premiumなど)をご利用の方は、まずはこちらを試してみてもよいかもしれません(詳細はこちら)。

Whisper
…OpenAI社による音声認識AI。高精度な文字おこしが可能です。
上記の「AI文字おこし」にも活用しました(ほぼ句読点を追加しただけで、この完成度)。Whisperはオープンソースのため、多くのサービスが独自UIをつけて提供しています。今回リンクしたのは、AIモデルやデモを共有できるプラットフォームHugging Faceによるデモで、ファイルをアップロードするだけで出力されます。入力したデータの取り扱い(保存され学習に活用されるかなど)はサービスによって異なりますので、必要に応じ確認のうえ、個人情報や機密データに配慮しつつご活用ください。

次回へつづく

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おおつか あつし(近畿大学医学部皮膚科学教室 主任教授)
皮膚科専門医、アレルギー専門医。2003年に信州大学医学部卒業。チューリッヒ大学病院皮膚科客員研究員、京都大学医学部特定准教授を経て2021年4月より現職。専門はアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患と、皮膚悪性腫瘍(主にがん免疫療法)。著書に『まるごとアトピー』『皮膚科手技大全[Web動画付]』ほか多数。加えて、『医師による医師のためのChatGPT入門』が大ベストセラーとなりシリーズ化。『医師による医師のためのChatGPT入門2』『臨床研究を変える究極のプロンプト500選』『おーつか先生&看護師のかげさんの ChatGPT入門』『あっという間のAIスライド作成術』を次々上梓。熱狂的なB'zファン。

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