執筆:窪田忠夫(沖縄県立中部病院外科)
ある日の夕方、救急外来はいつものように診察を待つウォークインの患者であふれ、救急車もひっきりなしにやってくる状況であった。この病院では救急外来担当の初期研修医は、担当時間内に来院するウォークイン患者と救急搬送患者の両方を診療することになっている。病棟は満床に近く、救急担当医にはできるだけ入院ではなく外来につなげようという意識があった。そうしたなか、2年目初期研修医Aが救急搬送された高齢女性の初診を担当した。
■Case
症例:89歳、女性。
主訴:突然発症の嘔吐、腹痛。