第6回 葛根湯(ジャンプ編)―葛根湯から次の一手 
吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)

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葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい;ツムラNo.2)という漢方エキス製剤があります。これは葛根湯(かっこんとう)に川芎(せんきゅう)と辛夷(しんい)が加わった漢方薬で,抗炎症作用や鎮痛作用が強化され,副鼻腔炎に特化した漢方薬になっています。このように古来,葛根湯は病態に応じて生薬を加味して活用(加味方)されてきました。ジャンプ編では,いろいろな葛根湯の加味方や鑑別処方を解説します。

 

◆葛根湯から次の一手 

●アレルギー性鼻炎(鼻閉型),副鼻腔炎に対する活用 

副鼻腔の圧迫感や鼻閉が強ければ,葛根湯加川芎辛夷を選択します。また急性副鼻腔炎で鼻汁の粘稠性が高い,膿性の場合には清熱作用,抗炎症作用を強化するために葛根湯に桔梗石膏(ききょうせっこう;コタローN324)エキスを併用します。 

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