第7回 小青竜湯(ホップ編)―小青竜湯は水様性鼻汁を目標に投与する 
吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)

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小青竜湯(しょうせいりゅうとう;ツムラNo19)は、アレルギー性鼻炎に対する漢方薬として知られていますが、風邪にもよく用いられ、特に水様性鼻汁を伴う風邪には小青竜湯がよい適応となります。温熱産生を援助して発汗を促すことは葛根湯(かっこんとう)や麻黄湯(まおうとう)と共通ですが、身体を内部から温めて、水様性の鼻汁や喀痰・咳嗽を鎮める作用があることが特徴です。そのため小青竜湯は鼻汁や咳嗽など、風邪の複数の症状に1剤で対応できる漢方薬といえます。

 

風邪やアレルギー性鼻炎で水様性鼻汁が出たときに小青竜湯(できれば1回2包)を内服すると、およそ15分後には体が温まって鼻汁が止まることを実感できます。それまで漢方に興味がなかった医師が小青竜湯を内服したところ、その効果を自ら実感して、そこから漢方にハマっていったというエピソードもよく聞きます1, 2)

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