第18回 五苓散(ジャンプ編)―五苓散から次の一手 
吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)

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これまで解説したように五苓散(ごれいさん;ツムラNo.17)は、頭痛、慢性硬膜下血腫や急性胃腸炎などでよく活用されるようになりましたが、さらに近年では、循環器内科(心不全)にも活用が広がっています。五苓散の活用時の注意点として、五苓散は急性胃腸炎や暑気あたりに活用されることからもわかるように、熱の病態に対して用いる漢方薬で、冷えを伴う病態には適しません。生体内に水が長期間にわたって停滞すると、冷えを生じやすくなります。

冷えを伴う水毒(すいどく)の治療には、温める作用と利水作用がある漢方薬が適応となり、真武湯(しんぶとう;ツムラNo.30)がその代表です。ジャンプ編では、五苓散のさらなる活用として、次の一手、エビデンス、真武湯などの鑑別処方を解説します。

 

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