第24回 半夏厚朴湯(ジャンプ編)―半夏厚朴湯から次の一手 
吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)

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心身一如(しんしんいちにょ)の漢方治療といわれるように、漢方治療では身体と心の異常を同時に捉えて治療します。「気晴らしをする」「気が滅入る」などという言葉もあるように、気鬱(きうつ)では「抑うつ感」「朝、調子が悪い」といった精神心理的症状が出現します。半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう;ツムラNo.16)には「気(き)のうっ滞を散じて気分を明るくする効がある」1)といわれ、抗うつ作用も明らかになっています2)。実際の臨床では、半夏厚朴湯は「何か悪い病気が隠れているのではないか?」というような、予期不安を目標に用います。不安は日常診療でよく遭遇する症状で、近年では抗不安薬(ベンゾジアゼピン)の使用は極力控えられることから、半夏厚朴湯は不安に対する貴重な薬剤といえます。ジャンプ編では、半夏厚朴湯のさらなる活用として、次の一手、エビデンス、鑑別処方を解説します。

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