吉永 亮(飯塚病院東洋医学センター漢方診療科)
Answer
補中益気湯を一次的な疲労や急性疾患に使用した場合は,自覚症状が改善すれば減量・中止してよいでしょう。疲労時に頓服として内服してもらい,徐々に減量・中止していく方法もあります。
前回解説したとおり,補中益気湯(ほちゅうえっきとう)はさまざまな要因(感染症,悪性腫瘍,栄養失調,外科手術など)により,「気」が量的に不足する病態である気虚(ききょ)に対して用いる漢方薬です。補中益気湯を一時的な疲労や感染症などの急性疾患に使用した場合は,患者さんの自覚症状が改善すれば減量・中止してよいでしょう。本連載「Q22漢方薬を中止するタイミングを教えてください(慢性疾患の場合)」で述べたように,患者さんは元気が出てくれば漢方薬の飲み忘れが増えてきますから,再診時に残薬を確認することが大事です。