【第4回】コロナ後遺症の“倦怠感”を読み解く―鑑別診断と内分泌学的視点から(中野靖浩)

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前回から続く)

執筆:中野 靖浩
岡山大学学術研究院医歯薬学域 高梁(たかはし)総合診療医学講座 講師
 

 本稿では、岡山大学病院のコロナ・アフターケア(CAC)外来において、コロナ後遺症(新型コロナウイルス感染症罹患後症状、Long COVID)を疑われて受診したものの、“コロナ後遺症以外”の疾患が見つかった経験を通じて、コロナ後遺症診療における「鑑別診断」の重要性に加え、総合内科医・総合診療医かつ内分泌専門医という筆者のバックグラウンドを活かし、内分泌学的観点から「倦怠感」をどのように捉えるかについて考えてみたいと思います。

 

コロナ後遺症診療における「鑑別診断」の重要性

 コロナ後遺症が広く認知されるようになった一方で、診療現場では、当初コロナ後遺症を疑われた患者が最終的に別の疾患と診断されることも少なくありません。特に倦怠感は、「感染症」「悪性腫瘍」「膠原病」「睡眠障害」「精神疾患」など、多岐にわたる疾患に共通する症状です(本連載第1回の図1参照)。世界保健機関(WHO)によるコロナ後遺症の診断基準においても、「他疾患では説明できない症状」と記載されており1)、まずは他疾患を除外することが重要です。そのため、コロナ後遺症の診断時は、コロナ罹患後の症状に対して、基本的な鑑別診断を常に念頭に置くことが必要です。

 

コロナ後遺症外来で遭遇する「他疾患」

 以前、当院のCAC外来でコロナ後遺症以外の疾患が診断された症例についてまとめ、報告しました2)。2021年2月~2023年6月にCAC外来を受診した731人のうち、50人(6.8%)で新たな疾患が発見されました。特に60歳以上では15.7%に認められ、高齢になるほどその頻度は高い傾向にありました。新規に見つかった疾患の一覧を、症状との関連性も含めて下記に示します2)倦怠感から「貧血」「甲状腺機能異常」「うつ病」などが診断され、他症状からも多様な疾患が発見されました。疾患の種類は多岐にわたり、鑑別診断の重要性を示していると言えます。

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