【第6回】「漢方」で考えるコロナ後遺症の倦怠感(植田圭吾)

ブックマーク登録

(前回から続く)

執筆:植田 圭吾
岡山大学病院 総合内科・総合診療科

目次

◉倦怠感を「気血水」の異常で捉える

 ➊「気虚」の症状と生薬

 ➋「血虚」の症状と生薬

 ➌「水滞」の症状と生薬

◉病状の変化を「寒熱」で捉える

 本稿では、コロナ後遺症(新型コロナウイルス感染症罹患後症状:post COVID-19 condition/Long COVID)における倦怠感について、「漢方」の考え方を紹介します。

 

倦怠感を「気血水」の異常で捉える

 漢方医学における人体の生理活動や病態などを説明する考え方の一つが「気血水(きけつすい)」です。それぞれ以下のように定義され1) 、これら三要素によって身体の恒常性が維持されると考えます2)。

・気(き):生命活動を営む根源的エネルギー

・血(けつ):生体を物質的に支える赤色の液体

・水(すい、津液〔しんえき〕ともいう):生体を物質的に支える無色の液体

❶「気虚」の症状と生薬 

 気血水のいずれの異常も倦怠感に関連しうるのですが、特に気の異常の一つである「気虚(ききょ)」が重要です。生命活動のエネルギーが不足したり、精神活動を含めた機能的活動が低下したりする状態です。気虚を診断するにあたっては、寺澤1)の「気虚スコア」が有用です。 

続きを読むには
無料の会員登録 が必要です。

こちらの記事の内容はお役に立ちましたか?