
執筆:長澤 将(東北大学病院 腎臓・高血圧内科)
さて、前回は書籍『Dr.長澤印 輸液・水電解質ドリル』※1のCase1を用いて、ChatGPT(GPT-5)※2に投げるプロンプトを検討した結果、プロンプト➋の「ペルソナを与える」だけで、良い感じの回答が得られることがわかりました。 それではここから『ChatGPT vs 長澤』の本番です。前回が低Na血症の架空症例でしたので、今回は「Case4 病状は落ち着いているが高K血症を呈した60歳代女性」を題材にしてみましょう。
※1この本では架空の20症例を作成し、各症例に2~3題の臨床問題をつけて「ドリル」の体裁にしています。
※2今回も2025年8月7日にOpenAI社により公開され、無料アカウントでも制限付きで利用できる「GPT-5」を用いています。GPT-5の回答を見る前に、ぜひ皆さんもご自身で回答を考えてみてください。
【症例の情報・問題】
60代前半、女性
現病歴:統合失調症で近医精神科に通院中、幻覚妄想状態のために4日前に医療措置入院となっていた。もともとeGFR 15 mL/分/1.73 m2程度の慢性腎臓病(CKD)があり近医内科にかかっており、他院の腎臓専門医と将来は透析という話をしていた。今回採血したところK 5.5 mEq/L、P 5.1 mg/dLでありコンサルトがあった。
身体所見:155 cm、47 kg。血圧 121/71 mmHg、心拍数 69回/分・整、体温 36.1℃、呼吸数 15回/分、SpO2 98%(室内気)。JCS 0。
心雑音を認めない。肺雑音を認めない。下腿浮腫も認めない。
生活歴:飲酒歴;なし。喫煙歴;40本×40年(入院してから禁煙中)。
家族歴:特記事項なし
既往歴:22年前頃にめまいで入院した既往歴あり(詳細不明)、12年前に急速進行性糸球体腎炎(RPGN)で一時 Cr 7 mg/dL台まで上昇したが、ステロイドなどで 2 mg/dL程度まで回復し、その後腎臓専門医でフォローされている。2カ月前は Cr 5.21 mg/dLであった。
内服薬:ラツーダ 20 mg、アロプリノール 50 mg、オルメサルタン 10 mg、アムロジピン 5 mg、アミティーザ 24 μg、クエチアピン 50 mg×3錠、アキネトン 1 mg、セパゾン 2 mg×5 錠、ニトラゼパム 5 mg、十全大補湯 2.0 g×3 包、リボトリール 1 mg
血液検査:Na 137 mEq/L、Cl 112 mEq/L、K 5.5 mEq/L、Ca 8.3 mg/dL、P 5.1 mg/dL、Cr 8.31 mg/dL、BUN 77 mg/dL、Alb 3.7 g/dL、Hb 8.9 g/dL
尿検査:尿比重 1.008、pH 5.0、尿潜血 +/-、尿蛋白 +/-
診察:話がかみ合わないところはあるが、食事(腎臓病食)も全量摂取しており、身体的には元気。
Q1 この患者に必要な検査はどれか?
➊血液ガス
➋心電図
➌胸部X線
➍連日の畜尿
➎何もしない(経過観察)
Q2 この患者にするべき対応はどれか?
➊グルコース・インスリン療法の導入
➋カリウム吸着薬の投与
➌ループ利尿薬の投与
➍リン吸着薬の投与
➎前医から腎代替療法の提案をしてもらう
この症例をもとに、ChatGPTに回答を考えてもらいます。
【プロンプト➋ペルソナを与える】