執筆・撮影:田中 夏実(みんなの北診療所 所長)
(前回よりつづく)
今年の10月下旬、遅い夏休みをとりネパールへ旅行した。なぜネパールなのか。
目的の一つは、犬のお祭り「ククル・ティハール(Kukur Tihar)」を見ることだった。ククル・ティハールは、5日間にわたるヒンドゥー教の祭礼「ティハール」の2日目にあたる、「犬(kukur)をたたえる日」だ。ティハールは、首都カトマンズをはじめネパール全土で毎年10月下旬~11月初旬に行われ、1日目はカラス、3~4日目は牛と女神ラクシュミ、5日目は兄弟姉妹がたたえられる。
なぜネパールには「犬」のお祭りがあるのか。ヒンドゥー教では、犬は死の国の門番であり、神の乗り物であるとされている。ネパール人の約8割はヒンドゥー教徒だというが、宗教的な意味合いにとどまらず、ネパールの日常には人と犬がごく自然に共に在る風景があった。2回にわたりネパール旅行記をお届けする予定だが、まず今回はその風景を垣間見ていただけたなら幸いである。

ククル・ティハールでは、飼い犬も野良犬も、額に祝福の印「ティカ」を与えられ、
マリーゴールドの首飾りをかけ、ごちそうを振舞われる。
マリーゴールドは、ヒンドゥー教の祭礼に欠かせない、祝福と敬意を象徴する花。
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