第9回 大腸菌ともそこそこ戦えるセファゾリン(第一世代セフェム系)

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京大学医学部附属病院感染症内科)

 

Keywords:セファゾリン(CEZ),プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis),大腸菌(Escherichia coli),クレブシエラ(Klebsiella属),セフォチアム(CTM),セフトリアキソン(CTRX)


Q. セファゾリンの注意点を教えてください!

A. 大腸菌などのグラム陰性桿菌(GNR)をカバーできますが,医療機関によって感受性率がかなり異なるので,アンチバイオグラムを確認してから使用するのが無難です。

 

前回はセファゾリンのスペクトラムであるS&S〔ブドウ球菌(Staphylococcus属)とレンサ球菌(Streptococcus属)〕+PEK〔プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis),大腸菌(Escherichia coli),クレブシエラ(Klebsiella属)〕のうち,S&Sを解説しました。ブドウ球菌をカバーするだけでも素晴らしいのですが,セファゾリンの魅力はそれだけにとどまりません。というのも,セファゾリンはGNRであるプロテウス・ミラビリス,大腸菌,クレブシエラもカバーすることができるのですから。思い返せば,ペニシリン系で大腸菌をカバーするのは結構大変でした第6回第7回記事参照)

 

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