第19回 疑似ピペラシリン・タゾバクタムをつくりたい

執筆:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター総合診療科)
監修:岡本 耕(東京大学医学部附属病院感染症内科)

 

Keywords:ピペラシリン・タゾバクタム(PIPC/TAZ),モキシフロキサシン(MFLX),ST合剤,レボフロキサシン(LVFX),嫌気性菌


Q. ピペラシリン・タゾバクタムに匹敵する非βラクタム系抗菌薬がほしいです! 

A. レボフロキサシンなどに嫌気性菌をカバーする抗菌薬を組み合わせた2剤併用療法が定番です(単剤ならモキシフロキサシンを使う方法もありますが,経口投与限定です)。

 

前回前々回では,第三・四世代セフェム系の代わりとなりうる抗菌薬としてST合剤やレボフロキサシンなどを紹介しました。そうすると,βラクタム系抗菌薬の以下の図の大部分を経口抗菌薬に置換できてしまうわけですが,どうしてもピペラシリン・タゾバクタムの部分が置換できないまま残ってしまっています。しかし,ここまで勉強した皆さんのなかには「ピペラシリン・タゾバクタムも経口抗菌薬に置換してみたい!」と思う野心的な方もいらっしゃるのではと想像するわけです。というわけで,今回はそのあたりを伝授していきます。 

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