第6回 実際に血液ガス分析を評価してみよう(2)

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佐藤 武揚(東北大学病院 高度救命救急センター)

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前回に引き続き症例を見ていきます。 

【症例2】
救急外来で患者が不穏状態です。飲酒後に体動困難となり救急搬送されました。搬送中に高濃度酸素投与がなされました。既往にアルコール依存症があり、これまでにも暴行、暴言などがあり様々な病院で受け入れを拒否されています。
アルコールによる酩酊を強く疑いますが、病態を把握するために動脈血液ガス分析を行いました。

 FiO2      0.21 
 pH        6.923 
 pCO2       37.5 mmHg 
 pO2       167 mmHg 
 HCO3    7.4 mmol/L 
 呼吸数    16 /min 
 空腹時血糖  100 mg/dL 
 乳酸        21 mmol/L 

これをどう解釈しますか?

pHは7.40(7.35~7.45) 
pCO2は40 mmHg(35~45) 
pO2は80 mmHg(60~100) 
HCO3は24 mmol/L(22~26) 
乳酸は2 mmol/Lを上限

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