佐藤 武揚(東北大学病院 高度救命救急センター)
(前回はこちら)
前回に引き続き症例を見ていきます。
【症例2】
救急外来で患者が不穏状態です。飲酒後に体動困難となり救急搬送されました。搬送中に高濃度酸素投与がなされました。既往にアルコール依存症があり、これまでにも暴行、暴言などがあり様々な病院で受け入れを拒否されています。
アルコールによる酩酊を強く疑いますが、病態を把握するために動脈血液ガス分析を行いました。
pH 6.923
pCO2 37.5 mmHg
pO2 167 mmHg
HCO3- 7.4 mmol/L
呼吸数 16 /min
空腹時血糖 100 mg/dL
乳酸 21 mmol/L
これをどう解釈しますか?
pCO2は40 mmHg(35~45)
pO2は80 mmHg(60~100)
HCO3-は24 mmol/L(22~26)
乳酸は2 mmol/Lを上限