【第12回】エラー症例3 下肢痛ケース
3)診断を上達させる4つのステップ(綿貫 聡)

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執筆:綿貫 聡(医療社団法人 おうちの診療所)

前回,5年目総合診療専攻医Aは,「食物アレルギーによるアナフィラキシー」のため経過観察入院となり,病棟で両下肢の疼痛を訴えた患者(50代,男性)を, 救急外来業務の合間に駆けつけた消灯後の病室で再診察し「筋けいれん」と診断したが,実は「急性腹部大動脈閉塞症」だった。なぜ診断エラーを生じてしまったのか? 専攻医Aと指導医Bの振り返りの対話は続く…。 

■総括的振り返り❷―なぜ「急性腹部大動脈閉塞症」の診断が困難であったか

指導医B ケースの振り返りの続きをしましょう。は,混雑する救急外来と病棟診療の両立や,他の患者に配慮しながらの暗い病室での診察など,診断エラーの「システム・状況要因」が挙げられましたね。では,鑑別診断の想起において,難しかったのはどのようなところでしょうか? 

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